広島市現代美術館で開催中の「ティンティン・ウリア:共通するものごと」という展覧会を見に行きました。民族的なマイノリティとして育ってきたことに始まり、境界とそれをつなぐものが大きなテーマとして据えられて、メッセージ性が強く、シンプルで理解しやすい展示が多かったように思います。
人の多そうな展示初期に訪れたのは作家であるティンティン・ウリア本人が実施する、レクチャー・パフォーマンスが開催されたから。出身地であるバリ島のレゴンという踊りを踏まえながら、中国系バリ人というマイノリティとして、何を感じているのか示していただきました。
日本のような単一民族の国で、多数派として暮らしていると意識できないことも多いですが、誰もが日常の中でマイノリティになる瞬間はあり、その瞬間にマイノリティになっている理由や、マジョリティと共通しているものなど、そこを隔てているということに注目していくのは必要なアプローチだなと感じました。また、ティンティン・ウリアの個人的な体験をシェアしてもらったことがきっかけで、こうして考えているということそのものが、今回の展覧会のコンセプトに当てはまっているのではないかと思います。