秋吉台国際芸術村で行われた「秋吉台で聴く ルイジ・ノーノの革新」を聴きに行きました。この施設のホールは、ルイジ・ノーノ作曲のオペラ「プロメテオ ―聴く悲劇―」を演奏するために設計されたという経緯があり、今回の企画はそのオペラを上演する時の配置しした上で開催されるというものでした。どうせならオペラを上演して欲しいところですが、こういう当時の技術的な最先端を取り入れたものは、その当時に演奏されてこそ意味があるのかなと感じました。
「プロメテオ ―聴く悲劇―」と同じように、色々なところから音が聞こえるということが、コンセプトの1つでした。垂直の歌を、垂直的な位置関係で上から音が降ってくるように聴けるのも、この会場ならでは。コンサート全体としては、電子音もあり色々な音が聞こえてくるのは面白いのですが、こういう刺激はすぐに慣れてしまうのだなとも感じました。ただ、あまり聞く機会のない電子楽器を使用した音楽も面白かったですし、ずっと聞きたいと思っていた「若林かをり」さんのフルートを聞けたこともいい経験でした。職人としての音の出し方を感じるような演奏で、籔が目指すのはこういう方向なのだろうなと感じます。
コンサート後は、同じ会場にあるレストランで食事をして帰ることができました。近くに飲食店がない立地なので、同じ会場で食事ができるのはありがたいです。とてもいい施設で、いいプログラムのコンサートなのに、観客が少ないのはいつも勿体無いなと感じます。こういったコンサートは集客の方法がないのでしょうか。
- 有馬純寿 エレクトロニクス
- 若林かをり フルート/バス・フルート
- 橋本晋哉 テューバ
- エミリオ・ツェドツァへのオマージュ(ルイジ・ノーノ)
- ぶらぶらテューバ(湯浅穣二)
- 息づく静没(ルイジ・ノーノ)
- ドナウのための後・前奏曲(ルイジ・ノーノ)
- 垂直の歌(細川俊夫)