広島文化学園HBGホールで行われた広島交響楽団の「第423回定期演奏会」を聴きに行きました。今回の目的は広島初演となった細川俊夫:ヴァイオリン協奏曲「ゲネシス(生成)」、細川ファンとしてはぜひとも聴いておきたいコンサートでした。当日は急に大雨が降り、会場へ向かっていても排水管から水が湧き出している様な状況。「ここを通っても大丈夫か?」と感じる様な道路も多くありました。コンサート自体は10分程度遅れて始まっただけで無事に開催されましたが、やはりお客さんは少なかった様に感じます。
目的だったヴァイオリン協奏曲はどうもパリッと聴こえて来ず、少し迷走しているような雰囲気も感じましたが、ソリストの音色や推進力がとても良くて、ソリストに引っ張っていかれているような求心力を感じました。せっかくの曲なので、もう少し現代音楽が得意な指揮者さんだと聴こえ方も違ったかなと少し残念ですが、とても綺麗なヴァイオリンを聴けただけ良かったでしょうか。
前半とは打って変わり、後半の交響詩はどちらも劇的で、こういう曲が得意な指揮者さんなのだろうなと分かるような演奏。オーケストラから魅力的な響きを引き出していて、引き込まれました。ホールの後ろの方からでもハッキリと伝わってくる集中力、大雨の中でしたが聴きに行って良かったです。
- 指揮:ガエタノ・デスピノーサ
- ヴァイオリン:ポール・ホアン
- メンデルスゾーン:序曲「静かな海と楽しい航海」作品27
- 細川俊夫:ヴァイオリン協奏曲「ゲネシス(生成)」(共同委嘱・広島初演)
- R.シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」作品20
- R.シュトラウス:交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯」作品28