東広島芸術文化ホール くららで開催された「アレクサンダー・ガジェヴ ピアノリサイタル」を聴きにいきました。2021年のショパンコンクールで最も好きだったピアニスト、近くでリサイタルがあればぜひ聴きに行きたいと思っていました。
ショパンコンクールで聴いていた印象そのままのコンサートで、柔らかく暖かい音色なのに、曲の作りはスッキリしているといった感じがして、とても耳が良いんだろうなと感じる演奏でした。コンサートの第一音から観客を引き込む演出もあり、強制的に音楽へ集中させるコンサート作りは流石。
組曲『展覧会の絵』での多彩な音も印象に残りましたが、C.フランク(H.バウアー編)「前奏曲、フーガと変奏曲ロ短調 op.18」の響きが心地良く、新しい曲を知れて幸せでした。いつも良いピアノを聴くと、自分も頑張らなければとピアノを弾きたくなるのですが、今回はいつもと違い、ピアノを弾きたいという気持ちが強くなりませんでした。自分との距離が遠すぎたのかなと思いますが、なんだか全体的に不思議に感じた演奏会でした。
また、「東広島芸術文化ホール くらら」の大ホールは1,200席程度のホールなので、ピアノのソロには大きいかなと思っていましたが、舞台までの距離が近く感じられるホールで、全く大きさを感じませんでした。音も響きは伴っているのに、明瞭に聞こえてくるので、ピアノソロでちょうど良い様に聞こえて好きなホールでした。舞台までの近い距離感と、響きを伴った明確な音を併せ持っていて、なんだか不思議に感じるホールですが、こういうホールを多くのコンサートが開かれる広島市内に作って欲しいなと強く思います。
- J.S.バッハ:フランス組曲第4番 変ホ長調 BWV815
- ショパン:ノクターン 第4番 ヘ長調 op.15-1
- ショパン:ノクターン 第5番 嬰ヘ長調 op.15-2
- ショパン:スケルツォ 第3番 嬰ハ短調 op.39
- C.フランク(H.バウアー編):前奏曲、フーガと変奏曲ロ短調 op.18
- ムソルグスキー:組曲『展覧会の絵』