平田 オリザ『22世紀を見る君たちへ これからを生きるための「練習問題」』を読みました。最初に「未来のことはわからない」という言葉から始められている通り、全体に渡って分からない問題に対応する力が求められており、それをどう測り、どう対処していくのかというという内容が大学入試を具体例に書かれていました。例に挙げられているような入試形態をこの著者がいない大学で導入するのは難しいと思いましたが、籔も楽器を演奏して貰えばその人のことがある程度分かりますし、人を判断するには自分の専門分野に関わる身体性を伴う試験をするというのは理にかなっていると思います。
ここのところ興味を持っている地域の教育・文化格差について、ピエール・ブルデューの「文化資本」という概念を持ち出し、籔が漠然と考えていたものを細かく分類し、明確な論点にされていました。地方の衰退は程度の差はあれどこでも問題となっていますが、挽回できる可能性の最も高いものが、この文化資本かと思います。ベネッセ教育総合研究所「教育格差の発生・解消に関する調査研究報告書 [2007年~2008年]」のデータも挙げられていましたが、文化資本の影響が読み取れる内容でした。文化資本という概念は1,979年に書かれた「ディスタンクシオン」で提唱されたようで、こちらも読んでみたいと思います。

