周南市文化会館で行われたスペインADDA交響楽団の日本公演を聴きに行きました。曲目が微妙でしたし、知らない楽団だったので行かないつもりだったのですが、演奏動画を見てみると上手でしたし、近くに来るので行ってみることにしました。結果的には今年聴いた中で最も好きな演奏でしたし、ソリストも以前聴いた時と印象が全く違い、とても印象に残る演奏会となりました。
スペインという言葉からイメージされる情熱さはもちろんあるのですが、それよりも弱音の中での表情の付け方が素晴らしく、常に変わっていく音楽がとても心地よく聞こえてきました。指揮者がうまく緩急をつけているのでしょうが、その微妙な変化に応えるオーケストラもレベルが高いなと感じさせます。まだ結成から間もないとは思えないようなオーケストラで、こういうオーケストラが組織されるということからも、ヨーロッパの層の厚さを感じました。
今回のプログラムも面白く聴けましたが、もっと違う演奏も聴いてみたいと感じました。スペインの現代音楽や、ロドリーゴほど有名でない作曲家の曲などもあれば最高でした。また、スペインへ訪れる際は、公演日程を調べてみる気がします。
- 指揮 ジョセップ・ヴィセント
- ギター 村治佳織
- ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
- ロドリーゴ:アランフェス協奏曲(ギター:村治佳織)
- ビゼー:カルメン組曲
- ラヴェル:ボレロ