Ultra Maokong レースレポート

Ultra Maokong レースレポート

 今年のアジアトレイルレースシリーズの4戦目は台北。前回のシンガポールと同様に大きな都市で開催されるトレイルレースに出てみたかったので、このレースを選択してみました。最も標高の高い所で600mしかありませんし、正直50kmのレースなら完走は余裕だろうと思っていたのですが、あまりの暑さとトレイルのテクニカルさに完敗。走れる場所が少なく、時間が経つ内に水が無くなって脱水状態。周りはみんなゾンビのようになって進んでいました。
 トレイルとロードがバランスよく配置されていますが、思っていたよりもトレイル率の高いコースでした。しかも、そのトレイルが完全にジャングル。日本と同じようなシングルトラックが多いですが、日本よりも草の成長が早いのかトレイルの幅が狭く、体に草が触れている時間が長い気がします。また、ある程度トレイルも放置してあるので、荒れたトレイルに慣れていないとコースが分かりにくい場所も多かったです。

大会概要

  • 大会・・Ultra Maokong
  • 場所・・Maokong(台湾)
  • 日時・・2017/10/01
  • 距離・・50km(獲得標高 3,300m)
  • 天候・・天気:晴れ 気温:29℃(スタート時)
  • 結果・・9時間27分00秒 DNF CP-E(33km地点)

区間タイム(時:分:秒)

区間区間距離区間時間合計時間
Start 〜 cp-A Forest Temple(8km地点)8km1:25:011:25:01
Refreshment cp-A Forest Temple(8km地点)0:02:181:27:19
cp-A Forest Temple(8km地点) 〜 cp-B Buddha Temple(14km地点)6km1:30:402:57:59
Refreshment cp-B Buddha Temple(14km地点)0:02:423:00:41
cp-B Buddha Temple(14km地点) 〜 cp-C Shenkeng(25km地点)11km2:16:335:17:15
Refreshment cp-C Shenkeng(25km地点)0:14:155:31:30
cp-C Shenkeng(25km地点) 〜 cp-E Tian Nang Temple(33km地点)8km3:55:309:27:00
合計33km9:27:00

使用機材

 事前の予報では34℃まで気温が上がるとのことでしたし、実際には36℃〜38℃まで上がっていたようで、これまでで最も気温と湿度がきついトレイルレースでした。1月のカンボジアや5月のベトナムも日差しが強くて暑かったですが、湿度が高いので辛さは台湾の方が上。暑さ対策に水を2L持っていたのですが、CP-CからCP-Eまでの7kmはそれでも足りず、この区間だけ少なくても3Lは欲しかったなと思います。売店や湧き水といったエイド以外で水を補給できるところは見付けられなかったので、水分はエイドを出る時にしっかり持たなければなりません。また、ライトはハンドライトをメインにしていたのですが、ヘッドライトを2灯持った方がいいと思います。これについては後述。
 そして、手を使うところが多いのでグローブは必須、ポールは邪魔になりそうです。ロードもそれなりに多いですが、トレイルはあまり硬くないので軽いシューズで十分な印象。ただ、岩がよく滑るので、グリップの高いものの方が安心かなと。装備で随分と成績が変わりそうなレースでした。

  • シューズ・・Inov-8「TRAILTALON 250 MS(26cm)」
  • シューレース・・Nathan「LOCK LACES」
  • バックパック・・Ultimate Direction「AK MOUNTAIN VEST 3.0」
  • GPSロガー・GARMIN「Foreathlete 650J」
  • タイツ・・CW-X「スタイルフリーボトム ロング(L)」
  • ハーフパンツ・・モンベル「トレールランニングショーツ Men’s(M)」
  • アンダーウェア・・UNDER ARMOUR「ヒートギアコンプレッションステルスLSモック(L)」
  • シャツ・・Quechua「Ultra-trail Angkor参加賞」
  • ミッドレイヤー・・Haglöfs「SHIELD JACKET(XS)」
  • ソックス・・武田レッグウェアー「TRR-120G(M)」
  • キャップ・・BUFF「Pack Run Cap」
  • グローブ・・Salomon「XT WINGS GLOVE WP(L)」
  • アイウェア・・Endura「Mullet」
  • ライト・・GENTOS「SG-325」, Black Diamond「ION」
  • ゼッケンベルト・・Nathan「Race Number Belt」
  • 補給・・PowerBar「PowerGel Shots」8個
  • 補給・・ミドリ安全「塩熱サプリ」8粒
  • ホイッスル・・ザック付属
  • 携帯電話・・Apple「iPhone 7」

レース展開

START 〜 cp-C Shenkeng(25km地点)

暗い内に先へ

 海外特有のなんとなく集合して、なんとなく注意事項を説明して、いつの間にかスタートという流れ。スタート会場にトイレがなかったので探すと、スタートの1つ下の階に発見。みんな場所が分からなかったのか、誰も使っておらず空いていました。スタートはゆっくりと最後の方から。

 ロードを1km程度走ると石段の下りに。観光地になっているMaokongのお茶畑を通っていると思うのですが、暗いのでよく分からず。普通の5倍は大きなカタツムリがたくさん歩いているので、踏まないよう注意です。台北の夜景も見えるのですが、あまり見る余裕はなく、ロード・階段の上り下り・トレイルを繰り返して少しずつ標高を上げていきます。まだ日の出前ですが気温は29℃で湿度が高いので、走り始めるとすぐに汗だく。

 5km程度進んだところから本格的なトレイルに。ここまではハンドライトのGENTOS「SG-325」だけで走っていたのですが、トレイルで動画を撮っていたスタッフに急に腕を掴まれ、ヘッドライトを使えという注意を受けました。急に止められても危ないですし、ハンドライトはダメという規定も無かったので文句を言ったのですが、どうもマイルールの様にダメと頑な。仕方なくザックを降ろしてヘッドライトを探して使ったのですが、真っ暗な中でライトを探して付けるのに時間がかかりました。それまで5人くらいのパックで進んでおり、ルートも探さずに快適だったのですが、ここから一人旅に。
 本格的なトレイルに入ってからは滑りやすいところもありますし、手を使って登るところもあり急にテクニカルに。とはいえ、すぐCP-Aに到着。まだ1時間20分しか走っていませんし、エイドでも水を補給しただけで先へ。

太陽が出ると灼熱

 CP-Aを過ぎて少し登ると二格山へ続く稜線へ出て、太陽も出て来ました。スタートから約1時間半、5時半にはヘッドライトが必要なくなりました。すぐに眩しくなるので、今度はアイウェアの出番です。左右が落ちている稜線なのですが、あまり眺望はなく淡々と進んでいきます。

 比較的開けたところではカメラマンが待ち構えていました。奥に見えているのは台北市内、スタートから2時間半経ち、太陽の熱でかなり暑くなって来た頃。ここまでは思っていた通りのトレイルで順調に進んでいますが、とにかく大量の汗が出てシューズの中もビショビショ。レースでこんなに大量の汗をかいたのは初めてです。

 最後に2km程度のロードを下るとCP-Bへ。エイドのメニューはどこも同じ様な感じ、水やスポーツドリンク、コーラも常温ですが、頼めば氷を出してくれます。そして、南国台湾はフルーツ多め。ここからはロードが多いと誤解していたので、ここも水を補給しただけでササっと通過です。

テクニカルなトレイルがちょこちょこ、迷子はたくさん

 CP-Bを出るとロードが主体なのですが、1〜2km程度のトレイルを何度か挟みながら進んでいきます。ロードのアップダウンも走れる程度なのですが、問題はトレイルがジャングルな事。下の写真の様に、あまり整備されていないトレイルが続くので走りにくいですし、スピードもそれほど出せません。
 ここの区間はマーキングも丁寧にはされていなかったり、ルートを探しながら走ることに慣れていないとコースが分からない箇所もありました。迷っている人も沢山いて、何度か迷っている人を引き連れて、籔行列を作ることに成功。普段はロードしか走らないという人、この区間で泣きそうになっていました。

 後半のロード区間は川の横を通るのですが、影がないのでとにかく暑い。時間も9時を過ぎ、もう気温もしっかり上がっていることが分かります。トレイルではルートを探すのに頭を使いますし、ロードに出ると日差しが暑いので少し疲れが出始めた区間です。

 あまりの暑さに30分遅くなってしまいましたが、ほぼ予定通りにCP-Cまでは到着。ここで初めて15分程度ゆっくりと休憩し、補給食も補充してスタート。ハイドレーションの水も満タンにし、背中やお腹、帽子の中にアイスブロックを入れてもらい、しっかりと暑さ対策をしたつもりでした。

cp-C Shenkeng(25km地点) 〜 cp-E Tian Nang Temple(33km地点)

テクニカル地獄、ゾンビうようよ

 ここからは筆架連峰という、台湾では岩場に分類されている縦走路を進んでいきます。cp-Cを出るとすぐトレイルに入り、まずは稜線までの直登。とはいえ200m程度しか登りませんし、あまり大したことはありません。少し滑りやすい箇所や手を使って登るところもありますが、淡々と上へ。

 稜線まで出てしまえば、細かなアップダウンを繰り返しながら200m登って終了だと軽く考えていたのですが、これが間違いでした。稜線に出てからの道はテクニカルで走れない(ミスをすると崖に落ちる)場所が続き、感覚的にはずっとロープを持って進む感じ。稜線に出てからの6kmに3時間(2km/h)かかり、酷い登りを登っている様な速度でした。

 2Lの水を持っていたのですが、暑さからエイドを出発して2時間で無くなり、この時点で1〜2時間は気温36℃の中を水無しで過ごすことが確定。とにかく水分を失いたくなくて汗をかきたくないのですが、少し動くだけでとめどなく流れてきます。さらに踏ん張りも効かなくなったのか、石で滑って転倒した時に右脹脛を強く攣ってしまい、下りもかなり厳しい状態に。
 風が抜けるところへ出ると日差しが痛く、日差しを遮るところに入ると風が抜けなくて蒸し風呂。攣ってしまった右脹脛は水もないので回復する兆しが全くありませんし、更にコースがテクニカルでとても頭を使いヘトヘトに。周りには同じ様なゾンビ状態のランナーが多く、座り込んでいる人には声をかけながら前へ。

 今思えば危なかった箇所の写真を撮っておけば良かったと思うのですが、その時はとにかく生きるのに精一杯。参考になりそうな記事を見つけてきたのでリンクしておきます。下の記事の中盤以降、写真で見るとあまり大したことないのですが、実際はキツかったです。

http://a28mountain88.pixnet.net/blog/post/446814512-△-2016-04-09~10-新北市筆架連峰-西帽子岩-炙

命からがら

 最後の方は手足も痺れてきて、歯が浮いた様な感覚があり、完全に脱水状態でした。そういえば汗も少し出にくくなっていた様な。カメラマンを見つけても気になるのは残りの距離だけ、あと600mと聞いてもとても遠く感じます。いつもならササっと通過できる下りもどっこらしょ。

 ロードに降りるとすぐエイドなのですが、最後の50m程度も全く走れず、到着してすぐ道路へ崩れ落ちました。身体中に氷を詰め込み、水を大量に浴びて30分休憩。ここまで調子が悪くなったらもう進めないかと思いましたが、30分しっかり体を冷やせば回復するかなと最後の悪あがき。30分では全く回復せず、リタイアを決断しました。

リタイア後

 cp-Eには運営の西洋人がいたので、リタイアを告げたり帰り方を楽に聞けて助かりました。台湾は色々な国の人が入っているはずなのですが、あまり英語が通じず、中国語が話せないとコミュニケーションをとりにくい感じ。英語よりも日本語を話せる人の方が多い感じもして、答えが日本語で帰ってくることも多かったです。
 スタート地点まで歩いて帰れということだったのですが、頭フラフラで4kmも歩けませんし何か他の方法はないか聞いていると、エイドの人が車でスタート地点付近の「貓空站」まで連れて帰ってくれました。荷物も預けていなかったので、そのままゴンドラに乗ってすぐに下界へ。とてもスムーズに帰ることができました。

まとめ

 思い出して感じるのは、これまでのトレイルレースで最も大量の汗をかき、最もコースの難易度が高く、最もキツかったレースということ。途中まではとてもいい感じでしたし、今回はこれまでで最も練習していたので、最後まで走れず本当に残念でした。これも水を十分に持たなかったというミスのせい。コースは本当に楽しいレースでしたし、また走りに行ってみたい大会ですが、人にはオススメしにくいかも。

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