ひろしま美術館で開催中の「ひだまりの絵本画家 柿本幸造展」という展覧会を見に行きました。子供の頃に見た記憶のある絵がたくさんあり、柔らかな夢のようなタッチを見たいなと訪れてみました。まだ冬休み中ということもあり、子供連れも多かったのですが、皆さん静かに見られており、快適に見て回ることができました。
絵全体が柔らかくぼかされて、絵本の世界が夢の世界のように感じることが多く、まさに絵本のための描き方が印象的でした。印象派の風景画の中にキャラクタがいるような感じでしょうか。描かれている動物たちの表情も豊かで、特に「じゃむ じゃむ どんくまさん」のジャムを作っているシーンのウサギが秀逸でした。
とても良い表情だったので絵本になったものも見てみたのですが、絵本で見るとどうも感じ方が違っており、受け取れるものが半分以下だったような気がします。こういう絵本作家の展覧会を見るといつも同じように思うので、やはり原画が持つ力は凄まじいです。ほぼ全ての原画を出版社が所有しているとのことでしたが、こんなに良いものが人目に触れないというのは勿体なく感じます。