JMSアステールプラザで開催されたひろしまオペラルネッサンスのG.ロッシーニ「セヴィリアの理髪師」を観てきました。誰も死なず、不幸になる人がいないオペラを見るのは、この作品が初めてだった気がします。少しゆっくりなテンポと明るい音色が、この明るいオペラによく合っていた気がします。ただ、それがそのまま長さにも感じてしまいました。レチタティーヴォの通奏低音も柔らかくて、全体的にわざとパンチを無くしたのかという気もしました。もう少しサクサク進んだ方が好みでしたが、テンポが上がると演奏が難しそうですし、面白い転調などもアッサリ過ぎ去ってしまうと思うので、良し悪しですね。
メインの登場人物ではありませんが、女中「ベルタ」の役割や声がとてもいいスパイスになっており、今回のオペラをうまくまとめていたように感じました。この役柄がなければ全員がハッピーという終わり方はしませんでしたし、スカッと通るこのソプラノがなければ、もう少し田舎くさく感じてしまった気がします。
