伊福部 昭「音楽入門」を読みました。改訂前の第一版では「音楽鑑賞の立場」という副題が掲げられていたということが、まず記されています。音楽とはどういうものなのかから始まり、簡単な音楽史へという一般的な流れなのですが、著者の主観を交えて語られているので、飽きずに読み進めていくことができました。ただ、ある音楽や美術に関する知識がある程度なければ、読み進めていくことも大変なのではないでしょうか。入門というには遠慮なく書かれている気がしました。
興味深いのは後半でしょうか。1,951年に書かれたこの本は、社会が大きく変わり、現代音楽も新しい手法が次々に現れていた時代でした。現在と同じように色々なところから音楽が聞こえてくるようになった時代でもあったのでしょう。そのような中で、音楽を鑑賞するということをどう考えるのか、どう変化してきたのか、真ん中にいる人からどう見えていたのか面白く見ることができました。改訂毎に書かれている文章も掲載されており、過去の自身がどう見えているかが読めるのも、この本の魅力の一つでしょう。