吉村昭「漂流」を読みました。どのように漂流したのか、その後の無人島での12年間をどう生き抜いたのか、臨場感に溢れた文体で描かれており、「熊嵐」と同様に、実際に島にいる気持ちを体感しているかのような内容でした。
江戸時代の話なので、その時代ならではの強さや風習なども面白いのですが、サバイバル生活と同じ程度、宗教の有用性についても描かれているように感じました。圧倒的に厳しく、自分の力ではどうにもならない環境では、何か大きなものに頼りたい気持ちが少し分かりました。平和を願いつつも、平和になると宗教については逆風というのは、皮肉な結果です。

漂流 (新潮文庫)