今年のアジアトレイルレースシリーズの5戦目は香港、今年の最終レースです。毎年訪れている香港ですが、今回は初めてThe North Faceブランドのレースに参戦。エントリーは抽選だったのですが、その割には適当なマップしか公開されていなかったり、前日受付の場所が1週間前に発表だったりと微妙な感じ。香港の雰囲気には慣れているので影響ありませんが、初めての海外レースがこれだと少し怖いかなと感じました。
7割程度はすでに走ったことのあるコースですが、ほとんどが疲れ切っていた時に通ったコースなので、とても新鮮に感じました。それでも香港特有の階段状トレイルで膝を痛め、後半20kmは思い通りに走ることが出来ませんでした。また、参加者も多く、前後にランナーがたくさんいる状態で走り、あまり自分のペースで走ることが出来なかったのも残念でした。

大会概要
- 大会・・The North Face 100 Hong Kong 2017(50km)
- 場所・・Tai Mei Tuk(香港)
- 日時・・2017/12/16
- 距離・・50km(獲得標高 3,300m)
- 天候・・天気:曇り 気温:18℃(スタート時)
- 結果・・11時間50分53秒 309位(605人中)
区間タイム(時:分:秒)
区間 | 区間距離 | 区間時間 | 合計時間 | 平均ペース |
Start 〜 CP1 烏蛟騰 Wu Kau Tang(6.6km地点) | 6.6km | 1:27:02 | 1:27:02 | 13:32/km |
CP1 烏蛟騰 Wu Kau Tang 〜 CP2 烏蛟騰 Wu Kau Tang(14.7km地点) | 8.1km | 1:34:20 | 3:01:22 | 12:13/km |
Refreshment CP2 烏蛟騰 Wu Kau Tang(14.7km地点) | 0:03:56 | 3:05:18 | ||
CP2 烏蛟騰 Wu Kau Tang 〜 CP3 鹿頸 Luk Keng(28.2km地点) | 13.5km | 2:26:00 | 5:31:18 | 10:53/km |
Refreshment CP3 鹿頸 Luk Keng(28.2km地点) | 0:07:26 | 5:38:44 | ||
CP3 鹿頸 Luk Keng 〜 CP4 鶴藪燒烤場 Hok Tau barbecue site(37.7km地点) | 9.5km | 2:22:32 | 8:01:16 | 15:24/km |
Refreshment CP4 鶴藪燒烤場 Hok Tau barbecue site(37.7km地点) | 0:16:56 | 8:18:12 | ||
CP4 鶴藪燒烤場 Hok Tau barbecue site 〜 Goal(50km地点) | 12.3km | 3:32:41 | 11:50:53 | 17:10/km |
合計 | 50km | 11:50:53 | 14:24/km |
使用機材
天気予報では雨でしたが気温は19℃まで上がる予報でしたし、最も標高の高いところで620m程度しか上がらないので、最低限の装備で走ることに。スタート前は暑いという情報もあったのですが、実際走り始めると風が強くて冷たく、最後の八仙嶺辺りはレインウェアを来ていても寒い程でした。ホイッスル以外全ての装備を使い、ちょうど良い装備でした。
少し硬めのトレイルですが、しっかり走れるコースなので軽いシューズでちょうど良く、暑さに備えてソフトフラスクを3つ用意したのですが、3つ目は最も長いCP2からCP3 の間でしか使いませんでした。ジェルは10時間走るとして20個持って行き30分毎に補給したのですが、遅くなってしまって少し足らず、最後はお腹が空いてしまいました。体調が悪くならなかったので、最後まで美味しくいただけました。
- シューズ・・Inov-8「TRAILTALON 250 MS(26cm)」
- シューレース・・Nathan「LOCK LACES」
- バックパック・・Ultimate Direction「AK MOUNTAIN VEST 3.0」
- ボトル・・Ultimate Direction「BODY BOTTLE PLUS」3個
- GPSロガー・・EPSON「MZ-500B」
- タイツ・・CW-X「スタイルフリーボトム ロング(L)」
- ハーフパンツ・・モンベル「トレールランニングショーツ Men’s(M)」
- アンダーウェア・・UNDER ARMOUR「ヒートギアコンプレッションステルスLSモック(L)」
- シャツ・・「HK168参加賞」
- レインウェア・・モンベル「トレントフライヤー ジャケット(S)」
- ソックス・・武田レッグウェアー「TRR-120G(M)」
- キャップ・・BUFF「Pack Run Cap」
- グローブ・・Salomon「XT WINGS GLOVE WP(L)」
- アイウェア・・Endura「Mullet」
- ライト・・GENTOS「SG-325」, Black Diamond「ION」
- ゼッケンベルト・・Nathan「Race Number Belt」
- 補給・・PowerBar「PowerGel Shots」20個
- ホイッスル・・ザック付属
- コップ・・UltrAspire「Race Cup」
- 携帯電話・・Apple「iPhone 7」

レース展開
START 〜 CP2 烏蛟騰 Wu Kau Tang(14.7km地点)

大渋滞
海外の大会としては珍しく時間通りスタート。50kmと100km、リレーがすべて同時スタートで狭いスタート地点に1,200人が犇めき合っているので、かなり狭く感じました。狭いのでスタート後もゆったりと。目の前にレース最後で通る八仙嶺の稜線が見えるので、ここを明るい内に通りたいと思いながら走り始めました。

1.5kmの登り基調ロードを通ると、細いトレイルへ。かなり人が多いですが、立ち止まっている時間は5分程度でユックリですが登っていけます。300mを約2kmで登っている間ずっと渋滞ですが、淡々と登っていくだけなので急がず付いて行きます。香港ではスピーカで音楽を流しながら山に入っている人がちょこちょこいるのですが、この登りは前の人がずっとJ-POPを流していて香港に来たのにJ-POPを聞くという不思議な感じに。聞くとアニソンが好きらしく色々教えてくれたのですが、固有名詞は全く分からず。退屈せず登ることが出来ました。

また、この区間でしか出会わなかったのですが、「視障」というゼッケンを付けて伴走の人のザックに手をかけて進んでいるランナーを見かけました。流石に話しかけられなかったので、どの程度見えないのか分かりませんが、視力に障害のあるランナーが出場している・受け入れている大会も凄いなと感心しました。

下りは何度か走ったことのあるトレイルなのですが、石畳も多いので慣れるまでは捻挫に気を付けながらゆっくり。人が多くてどうせ抜けませんし、ゆっくりペースで走って行きます。300m程度の登り下りを超えたところが1つ目のエイドなので、ここはパスしてそのまま次へ。

周回コース
CP1とCP2は同じ様な場所にあるので、グルっと周回するトレイルへ。ちょっとしたアップダウンを繰り返しますし、海も見えて楽しいトレイルなのですがとにかく人が多い。ちょっと急な下りがあると人溜まりが出来ていますし、ずっと行列なので自分のペースで走れずイライラしてきました。

上の写真の様な人溜まりでどうしたのかと思ったら、すぐ下で写真撮影がされています。急な上に写真を撮影しているので、それは進まない筈です。香港では一般の人がレースの写真を撮影してFacebook等にアップしてくれるので、コース上にカメラマンがちょこちょこ。

景色が良くて走りやすくこの区間は好きなトレイルですが、このレースでしか使われていない様です。とにかく人だらけでゆっくり走る事になったので、スタートする時にもう少し前の方からしっかり走ってトレイルへ早く入っておくべきだったかなと後悔です。

CP1は簡易的なものだったので、CP2が初めてのまとまったエイド。エイドも大混雑で出口がどこか分からない程でした。食べ物や飲み物もしっかりとありますし、物はしっかりとしている印象。あまりの混雑ぶりに地元の人も失笑、戦場の様な雰囲気です。気を抜いて歩きスマホをしていたら写真を撮られていました。

CP2 烏蛟騰 Wu Kau Tang ~ CP4 鶴藪燒烤場 Hok Tau barbecue site(37.7km地点)

海沿いのフラットへ
CP2から170m位の山を越えて、海沿いのトレイルへ向かいます。時間もお昼に近付き、登りは暑く感じてきました。とはいえ、これまでの様に熱が篭る感覚はなく、水分を補給していれば大丈夫と思える程度。大気汚染対策の抗アレルギー剤の効果も有ったのか、体調も悪くなりませんし、快適に海を目指して進んで行きました。

ただ、この辺りから階段状の下りで右膝の外側に痛みが出始め、初めの内は動かしていたら治るだろうと放置していましたが、なかなか引かず。走りやすい階段が多いのですが、所々段が高くなっていたりと脚に負担が。

この海沿いを抜けると後は走ったことのあるトレイルばかりだったので、景色を楽しみながら進みたかったのですが、抜けるところで少しでも前に行きたくて、あまり景色も見ずに先へ。廃墟になっているところも多くて独特な雰囲気、寒かったからか珍しくハイカーさんも少なかったのですが、この区間ではたくさん出会いました。

谷埔まで出てしまえば売店もあり、コーラをゲット。HKD8なので普通のところで買うよりも高いですが、120円程度と納得できる価格。暖かそうな食べ物も売っていました。海沿いのフラットコースなので楽しく走っていたのですが、ここで突然、右膝の痛かった部位に走れなくなるかと思ったほどの激痛が走りペースダウン。距離も半分の25kmを過ぎ、これからという感じなのでかなりマズイなと思いながらなんとかCP3へ。

CP3では初めて地面に座り、膝周りのマッサージ。特に太腿の体側側が痛くて、泣きそうになりながら解しました。ここからゴールまでがキツイ区間なので、最後まで行けるかなと心配になりながらも、とりあえず目標時間の修正をしてスタート。

まずは一山
CP3を出ると観光地の様な街中を抜け、亀頭嶺 KwaiTauLengへの登りに。昨年訪れた時は体調が悪く、ここの石段登りがとても長く感じました。今回も嫌だなと思っていたポイントだったのですが、心肺は元気だったので淡々と登っているといつの間にか下りに。途中で川の横も通りますし、元気な時に通ると意外と好きな登りでした。ちょっとした体力の違いで随分と感じ方が違います。

最悪だったのは下り。平坦なところは良いのですが、階段の一段一段が膝に響き、全くペースが上がりません。途中で深圳でしょうか都市も見えたのですが、霞んでいてハッキリとは見えず。大気汚染レベルは4でしたが、あまりアレルギィ症状が出なかったのは1週間前から抗アレルギィ剤で対策をしたからかも。アレルギィ反応が出やすい人は対策をしていくと安心かもしれません。

スタートから7時間が経過し、この辺りから吹き付ける風がとても冷たく感じ始めました。レインジャケットを着ようか迷ったのですが、CP4まで後少しなので、とりあえずCP4まで行ってから着ることに。膝が痛くてあまり動けず、体も少し冷えていた様です。

CP4は温かいスープ等も出る大きなエイド。ここから八仙嶺を超える13kmを走るとゴールなのですが、寒くなってきたので、ここでしっかりと温まってスタート。写真を撮って、スープを飲んで、パンを食べ、水を入れてとしていたら、いつの間にか15分以上過ごしていました。ここから先がキツイと分かっているので、出たくなかっただけかも。

CP4 鶴藪燒烤場 Hok Tau barbecue site(37.7km地点) ~ Finish

ラスト一山塊
かなり重い気持ちでエイドをスタートしたのですが、香港在住の日本人で来月には広島に帰るという方と話しながらトレイルの入口までご一緒させていただき、随分と気持ちが楽になりました。とはいえ、ここから黃嶺 Wong Lengへ階段で直登。このレースで最も標高の高い640m程度まで一気に登っていきます。

この登りから階段横で立ち止まっている人多数。ずっと階段が続くので籔も脚が攣りそうになり、同じ人達と何度もすれ違うことに。時間も17時を過ぎ、随分と太陽が落ちてきました。

八仙嶺へと続く稜線は景色が良いので、陽が残っている内にここへ辿り着いて景色を見ることを最低限の目標としていました。18時には暗くなるのでギリギリといった感じですが、最低限の目標だけはクリア。もう陽はほぼ暮れており、サングラスをしているのは眩しいからではなくて寒いから。体が流される程の風が稜線を吹き抜け、露出している所はとにかく寒かったです。

8個の峰が続く八仙嶺に入ったところで辺りは真っ暗でライトが必要になり、ライトオン。下りはとにかく膝が痛く、峰を1つ越える度に脚をマッサージして次へ進む感じ。それでもここさえ超えれば後は下るだけですし、ゴール地点もすでに眼下に見えているので、気持ちが随分と違います。

下りはダッシュ
八仙嶺の最後の峰「仙姑峰」まで来ると、後は3.5km下って終了。もう少々痛くても終わりですし、3.5kmなら最後までプッシュして行けるのでダッシュして下ることに。正直、ここまでずっと前後に人がおり、自分のペースでは走れずに嫌だったので、この最後の区間が一番自由に走れて楽しかったです。50kmのカテゴリィだからか、あまり明るいライトを持っている人はおらず、ゆっくり進んでいるので抜き放題。

最後はなぜか藪漕ぎの様なトレイルに入らされ、トレイルを抜けた所がすぐゴールだったので感慨もなく終了。終了直後に必須装備のチェックが行われ、合格したらメダルが貰えました。ゴールエリアがかなり狭く、もう少し配置とか考えれば良いのになという感じでしたが、とにかく寒いのでタクシー乗り場にダッシュして、急いでホテルに帰りました。

まとめ
香港らしい走れるトレイルをグルッと回るレースで、美味しいとこどりをしている気分になる大会でした。膝が痛くならなかったら、もっと走れて楽しかっただろうと思うのですが仕方ありません。大会としては人の多さがとにかく気になり、同じコースを走る他の大会の方がいい様に感じました。香港自体にはまた走りに来たいですが、この大会はもう良いかな。

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