高田瑞穂「現代文の学び方」を読みました。1955年に出版され、絶版となっていたものが再販されたものですが、序文から、この本を読み切り理解する能力があれば、そもそもこの本を読む必要がないのではないかと感じたので興味を持ち読んでみることにしました。
紙面のほとんどが過去問と解説という一般的な参考書の程を成しているのですが、歴史や哲学といった教養を身に付けておかなければ意味の分からない内容も多く、単純に国語の問題のHow Toには収まらない書き方が印象的です。また、例題や解説から筆者の思考が伺えるというのも、参考書としては面白いものでした。受験勉強へ向けて、身に付けておかなければならない思想や主義についてまとまっている書物はあまり見かけないので、現代の受験生も早い内にこういう世界があるのだと知っておくのはいいのかなと感じました。


現代文の学び方 (ちくま学芸文庫タ-30-3)