2014 CCC(UTMB)レースレポート

大会概要

  • 大会・・THE NORTH FACE ULTRA-TRAIL DU MONT-BLANC「CCC」
  • 場所・・Mont Blanc
  • 日時・・2014/08/29
  • 距離・・101km(獲得標高 6,109m)
  • 天候・・天気:晴-曇-雨 気温:12℃(スタート時)
  • 結果・・26時間23分27秒 1394位

区間タイム(時:分:秒)

区間区間距離区間時間
1COURMAYEUR〜Tete de la Tronche10.3km2:56:42
2Tete de la Tronche〜REFUGE BERTONE4.4km0:42:43
エイドRefreshments(REFUGE BERTONE)14.7km地点0:01:19
3REFUGE BERTONE〜REFUGE BONATTI7.4km1:23:30
エイドRefreshments(REFUGE BONATTI)22.1km地点0:02:00
4REFUGE BONATTI〜ARNUVA5.2km0:51:48
エイドRefreshments(ARNUVA)27.3km地点0:12:59
5ARNUVA〜Grand Clo Ferret4.5km1:43:57
6Grand Clo Ferret〜LA FOULY9.7km1:52:03
エイドRefreshments(LA FOULY)41.5km地点0:17:13
7LA FOULY〜CHAMPEX-LAC14km2:56:05
エイドRefreshments(CHAMPEX-LAC)55.5km地点0:40:30
8CHAMPEX-LAC〜La Giete11.7km3:01:27
9La Giete〜TRIENT4.9km0:59:33
エイドRefreshments(TRIENT)72.1km地点0:11:50
10TRIENT〜Catogne5.2km2:07:12
11Catogne〜VALLORCINE5.3km1:07:28
エイドRefreshments(VALLORCINE)82.6km地点0:08:53
12VALLORCINE〜La tete aux vents7.7km2:33:10
13La tete aux vents〜LA FLEGERE2.9km0:55:55
エイドRefreshments(LA FLEGERE)93.2km地点0:03:02
14LA FLEGERE〜CHAMONIX7.9km1:46:39
TOTAL101.1km26:23:27

使用機材

 この「CCC(UTMB)」は必携装備が多く、かなり大量の荷物を持って走りました。下にリストと、持って行った物が全て写った写真が有ります。持って行った物はほぼ全て使い、使わなかったのは暖かい帽子(MOUNTAIN HARDWEAR「ゼルナビーニー」)とサバイバルブランケット等の非常時用品のみ。装備が有って助かったものばかりだったのですが、これまで使い慣れていないので、着替えたりに余計な時間がかかってしまいました。ここは改善しなければなりません。
 また、雨は降ったものの、そこまで寒くなりませんでしたが、もう少し気温が低くなると今回のウェアでは厳しいかなと思いました。もし寒い予報ならミッドレイヤーの「ヴェロキラップ」をもう少し厚い物に変えるかもしれません。今回はちょうど良く、長い時間をアンダーウェア、シャツ、ミッドレイヤーの3枚着て走っていました。また、推奨装備にされている「トレランポール」も出来るだけ持っていった方が良いと思います、傾斜のキツい登り下りでとても役に立ちました。スタートからゴールまでずっと使用、これが無ければ完走できなかった。
  • シューズ・・montrail「Men’s Bajada(GM2138 25.5cm)」
  • シューレース・・NATHAN「LOCK LACES」
  • バックパック・・SALOMON「S-LAB ADV SKIN HYDRO 12 SET」
  • ハイドレーション・・SALOMON「SOFT FLASK 500ml/16oz」2個、「SOFT RESERVOIR 1.5L」
  • GPSロガー・・Garmin「Fenix」 30秒間隔
  • タイツ・・CW-X「スタイルフリーボトム ロング(L)」
  • ハーフパンツ・・MIZUNO「A67RM-330」
  • アンダーウェア・・UNDER ARMOUR「ヒートギアコンプレッションステルスLSモック(L)」
  • シャツ・・Haglöfs「ACTIVES COOL TEE」
  • ミッドレイヤー・・finetrack「ヴェロキラップ(M)」
  • ソックス・・武田レッグウェアー「TRR-120G(M)」
  • キャップ・・MAMMUT「Active Visor」
  • 暖かい帽子・・MOUNTAIN HARDWEAR「ゼルナビーニー」
  • グローブ・・Salomon「XT WINGS GLOVE WP(L)」
  • 防寒グローブ・・ミズノ「ベルグテック(a2jy410162)(M)」
  • アイウェア・・OGK KABUTO「ビナートZ(スモーク)」
  • ライト・・Petzl「MYO RXP」2個 + 予備電池 単三4個
  • ポール・・SINANO「トレランポール13.6(105cm)」
  • ゼッケンベルト・・Nathan「Race Number Belt」
  • レインウェア・・mont-bell「トレントフライヤー 上下(S)」
  • 補給・・PowerBar「Power Gel」27個
  • 補給・・ミドリ安全「塩熱サプリ」38粒
  • サバイバルブランケット・・Adventure Medical Kits「SURVIVE OUTDOORS LONGER EMERGENCY BLANKET」
  • 携帯コップ・・UltrAspire「RACE CUP」
  • ホイッスル・・ザック付属
  • テーピング・・New-HALE「AKT 5m×7.5cm」
  • 携帯電話・・Apple「iPhone 5」
  • 予備バッテリィ・・Panasonic「QE-QL103」+ ケーブル
 「CCC(UTMB)」はトレイルランを初めて、かなり早い段階で目標にしていたレース。具体的にはこのレースにエントリィする為に昨年の「信越五岳トレイルレース」、「HK168(Half)」、「氷ノ山トレイルレース」に出場しましたし、約1年半をかけて何とか出場する事が出来た大会です。トレイルの練習もずっとこのレースを目的にしており、目標にしていた20時間には遠く及びませんでしたが、なんとか完走することが出来てホッとしています。
 「CCC」では大きく分けて5つの山を越えるので、今回はそれぞれ山1つずつ、全体を5つの区間に分けて考えていました。前半は元気なので区間の距離を長くし、後半は疲れているので短くという感じでしたが、この分け方でちょうど良かったように感じます。どの山も標高が2,000mを越えるので、下山したところで少し休憩し、気分転換できました。それぞれの括りでレポートを書いていきます。
1. COURMAYEUR(スタート)〜ARNUVA(27.3km地点) 27.3km
2. ARNUVA(27.3km地点) ~ CHAMPEX-LAC(55.5km地点) 28.2km
3. CHAMPEX-LAC(55.5km地点) ~ TRIENT(72.1km地点) 16.6km
4. TRIENT(72.1km地点) ~ VALLORCINE(82.6km地点) 10.5km
5. VALLORCINE(82.6km地点) ~ CHAMONIX(101.1km地点) 18.5km

COURMAYEUR(スタート) ~ Tete de la Tronche ~ ARNUVA(27.3km地点)

 スタート直後から「Tete de la Tronche」という標高2,571mの山頂まで1,435mをひたすら登り、下りてくるという区間。一番初めから最も標高差の大きな山場を迎えます。スタートはフランス語でのカウントダウン、いつものレースと違うのは前が全く見えないこと。みんな背が高いので完全に埋もれてしまいました。スタート前に寒かったのでミッドレイヤーを着てスタートしたのですが、熱くなってすぐに脱ぐことになりました。すぐ山に登りますし、相当寒くなければ身軽にスタートして良いのかもしれません。

 スタートから応援は熱狂的。牛の首に付けるカウベルが鳴り響いていますし、空撮のヘリコプターも飛んでいます。お婆さんがお尻を叩いてきたり、血管が切れるのじゃ無いかという程に叫んでいるお爺さんがいたりと、日本のレースとは全く違うスタートでした。初めは抑えめにと思っていたのでユッタリとスタート、これまで登ったことの無い様な傾斜の登りなので山頂まではずっと渋滞が続きました。

 抑えて走ったのですが、山頂に着く頃には太股に違和感が出ていました。単純に登りが苦手なので疲労しただけでしょうが、これは想定外。仕方が無いので下りもユックリと写真を撮りながら、脚を休ませながら進みました。また、寒くなったのでミッドレイヤーを着込みんで先へ。とても良い景色が続くので、写真を撮り始めると止まりません。
 2つの給水ポイント「REFUGE BERTONE」と「REFUGE BONATTI」では簡単に水だけ補給し、2つめの山の麓に有るエイドステーション「ARNUVA」までは細かいアップダウンを走ります。トレイルは日本の林道が狭くなった様な感じで全体的に走りやすいです。ただ、木が無いので晴れると急に暑く感じてきます。

ARNUVA(27.3km地点) ~ Grand Clo Ferret ~ CHAMPEX-LAC(55.5km地点)

 「Grand col Ferret」の麓を出発し、2,525mの山頂まで行き、標高差1,700mを駆け下りる区間。「Grand col Ferret」への登りも厳しいですし、その後の下りは19km続くのでかなり厳しいです。まずは右側に写っている山頂へ。1つめの山で感じていた太股の違和感ですが、半分くらい登ったところで内側広筋が攣りそうになり、何度も座って解しながら登りました。まだ30kmしか走っていないのでこれでレースは終わりかなと思いましたが、とりあえず進む敷かないので騙し騙し前へ。途中で同じように座り込んでいる人達と抜きつ抜かれつ冗談を言って気を紛らわせながらユックリ登り切りました。ここも山頂付近は寒いので、途中でミッドレイヤーを着ました。特に途中から座り込んで動けなくなったりもしたので、一気に体温が下がりました。寒くなってからミッドレイヤーを着たのですが、もう少し早く着ておけば良かったかなと思います。

 登り切ると今度は草原のような所の下り。あまり傾斜はキツくないのですがひたすら下っていくので、腹筋や背筋が痛くなってきます。全体的にこちらのランナーは「道を譲る」という事が無いので、抜きたければ抜けるところで声を掛けて抜かないといけません。その為に至るところで渋滞が発生、国籍を何となく判断して「on your left」、「gauche」のどちらかで声を掛けながら抜いていきます。フランス人は思っていた以上に英語が通じないことが多かったです。
 途中から雨が降り始め「LA FOULY」のエイドに着くまでには本降りになったのでレインウェアの上だけ着用。ここもずっと下りだったのですが、ズルズルのトレイルで何度も転倒しそうになりながら下っていきました。この下りで内臓を悪くしたのか、雨で身体が冷えたのか分かりませんが、42km地点のこのエイドでDNFを検討している人が多くて印象的でした。籔もキツいなと思っていましたし、走りながら話していた2人がDNFを選択していました。レースがスタートして10時間程度、ちょうど精神的にも弱くなる辺りなのかと思います。次の「CHAMPEX-LAC」からヘッドライトを着用しようと思っていたのですが、着くまでに暗くなってしまうので早めに着用。スープパスタで体を温めて出発です。

 この「LA FOULY」まではトレイル率95%以上だろうという程にロードや林道が無かったのですが、ここから先は少しずつロードと林道が出始めました。トレイル部分は川沿いを気持ちよく走って行けるのですが、足を踏み外すと50mは落ちてしまうような箇所も多いので気が抜けません。

 ログハウスや石で出来たとてもスイスらしい町並みを抜け、トレイルの登りを得て中間地点の「CHAMPEX-LAC」へ。ちょうどタイミング良く町中を走ることが出来たので、20時頃までライトを点灯せずに済みました。山の中なら19時半頃からライトを点灯する感じでしょうか。夜でも暖かいハーブティを出してくれる私設エイドが有ったりしてありがたいです。

 「CHAMPEX-LAC」はほぼ中間地点ですし、最も大きなエイドなので沢山の人が休んでいました。このエイドでは「調子はどう?」という会話が出始め、天候の悪化もあってかみんな疲れが見えます。外は大雨になってきたので上下ともレインウェアを着用し、手袋も防水の物に変更して出発。久し振りに吐く息が白くなりました。

CHAMPEX-LAC(55.5km地点) ~ La Giete ~TRIENT(72.1km地点)

 前半で大きな山は終わり、ここからの後半はエイド毎に1つ山を越えていく様になります。この区間は1,900m程度の「La Giete」へ標高差800m程度の登り下り。大きな山は終わりといっても2,500m級の山が終わっただけで、2,000m級の山なのでかなりのぼります。雨が降り続いているので途中は雨水が流れ、川になっている所を数分渡渉しないといけないところも有りました。標高の高い山の水なので、とても冷たくて足が痛くなりました。

 なんとか山頂付近まで登ると牧場が有ることが多く、カウベルが鳴り響いています。これまでのエイドは近付くと応援のカウベルを鳴らしてくれていることが多かったので、そろそろエイドかなと期待してしまいます。牧場の土なので雨でグチャグチャ、夜ですしテンションが上がってきて滑るのも楽しくなってきます。

TRIENT(72.1km地点) ~ Catogne ~ VALLORCINE(82.6km地点)

 後半2つ目の「Catogne」という標高2,009mの山頂まで登り、下りてくるという区間。ここも牧場になっていてとにかく滑りました。欧米人は登りが速いのですが、下りが遅く、後半に入ってから抜かれては抜き返しを繰り返していました。背の高さとか脚の長さが下りにも影響するのでしょうね。楽しかったので飛ばしていると、段々と道を譲ってくれるようになってきました。

 山頂にはたき火が有り、今回のレース中で最も嬉しかったエイドです。ここまでで走り始めて約20時間、夜の牧場ですし、比較的走りやすい道でしたので走りながら寝てしまっていました。流石に走りながら寝たのは初めて、夜のトレイルは意識をハッキリさせないと危険ですね。雨も上がり暖かくなってきたので、レインウェアを脱いで身軽になってダウンヒル。ここの下りで飛ばせる区間は終わり、残りの距離も少なくなってきたのでゴールを意識して怪我をしないように下りました。

VALLORCINE(82.6km地点) ~La tete aux vents~ CHAMONIX(101.1km地点)

 最後の区間は「La tete aux vents」という標高2,1116mの山頂まで登り、ゴールのシャモニーへ下山して終了。ちょうどこの区間から日が出始めたので、エイドでライトを仕舞って出発です。ここも牧場かと思っていたのですが、予想が外れて岩山。山頂付近は水が流れ、高山植物が咲いていてとても綺麗でした。ただ、岩山で登るのが大変でしたので綺麗だった箇所の写真がありません。今回のルート中でもう一度行ってみたいのはこの山、霧も出て幻想的でした。

 夜の間は全く景色が見えなかったので、ここの区間は色々と山も見れて嬉しい区間でした。ちょうど霧も晴れて周りの山を見ることも出来ることもあり、まだ制限時間にも余裕があったので時々立ち止まりながら走っていました。
 最後は岩山の下り、スキー場の下り、林道の下りと、固い路面の下りが続いたので、騙し騙し走っていた山も限界が来たようで、なかなか走ることも出来なくなってきました。走ったり歩いたりを繰り返しながら、どうにか前へ。ちょうどトレーニングコースになっているようで、トレーニングで走っている人達が応援してくれました。

 シャモニーの街中はもの凄い人の応援でお祭り騒ぎ。なんだかヒーローになったような気分ですが、脚が限界で最後までストック使用。横の人みたいに格好良くゴールしたかったのですが、今回は仕方ないです。またトレーニングして戻ってこようと思います。
 「完走」という最低限の目標はクリア出来ましたが、密かな目標の20時間には全く及びませんでしたし、遅くても24時間以内には走り切れるかなと思っていたのも甘かったようです。敗因は山の知識不足と、標高の高い山での経験不足の2つ。山の知識がない為にこれから天候がどうなるのか、どうすれば快適に過ごせるか分からずに、何度も無駄に着替えることになってしまいました。また、標高2,500mの高地へ実際に行ってみると息苦しく、体も重く感じました。分かっていれば最初はもっと抑えて、酸素消費を出来るだけ少なくして登っていたと思います。次回はこの経験が生かせると良いと思います、戻ってくるなら「TDS」かな。