広島市現代美術館で開催中の「遠距離現在 Universal / Remote」という展覧会を見に行きました。多くのビデオ作品があり、とにかく見て回るのに時間が必要な展覧会でした。とりあえず意図は把握しても、何か隠れているものがあるかなと最後まで見ていくことになるので、なかなかの情報量でした。
井田大介「イカロス」のように、分かりやすい要素が集まっているのに、実現させるのは大変そうという、発想が魅力という作品に刺激をいただきました。また、木浦奈津子の作品群も不思議な抽象性が魅力的でした。具体的なものの抽象度を上げていくというのはよく行われますが、抽象度を上げることで具体的なものにも見えてくるという作品は、多くの作品を見ることで不思議な懐かしさを感じさせるものでした。
個人と社会の距離感の着目した作品は、展示会全体を通して見ていくことで、自分がどのような社会に生きているのかを考えさせられるものでした。また、日常を作品としてとらえる、その視点も印象に残りました。こういった見方をできるようになりたいです。