YADING VK レースレポート

 初めてのバーティカルトレイルランレースが、世界で最も標高の高い場所で行われる「YADING VK」になりました。7kmで標高差約1,000mを登るレースで、標高5,000mまで登ったのも初めて。何とか最後まで登り切る事ができました。コースは標高3,992mの「Chonggu Temple」をスタートし、標高5,000m地点までひたすら登るというもの。走れたのはスタート直後と他は少しだけなので、約8割は歩き通し、トレイルウォーキングと言えるようなレースでした。

大会概要

  • 大会・・Yading Skyrun(YADING VK)
  • 場所・・稲城亜丁(中国)
  • 日時・・2017/05/01
  • 距離・・7km(獲得標高 1,072m)
  • 天候・・天気:晴れ 気温:13℃(スタート時)
  • 結果・・2時間25分50秒 34位(完走56人中)

使用機材

 とにかく高くまで登るので、装備は軽く。5,000mまで登った時の体感温度を想定できなかったのでウィンドブレーカーだけ持ち、後はポールでしっかりと体を押して登りました。3時間以内にゴールする予定だったので、補給食も無しです。
 シューズも出来るだけ軽いものを選びましたが、これは正解。7kmと短いでもっと軽いものでも良かったかなと思います。登って行くと酸素が薄くなって、体を動かしにくくなる事を実感したので、少しでも身軽にしておいた方が楽です。ザックもバーティカルにはちょうど良いサイズでした。

  • シューズ・・Inov-8「TRAILTALON 250 MS(26cm)」
  • シューレース・・Nathan「LOCK LACES」
  • バックパック・・MOUNTAIN HARDWEAR「Fluid Race Vest」
  • GPSロガー・・EPSON「MZ-500」
  • タイツ・・CW-X「スタイルフリーボトム ロング(L)」
  • ハーフパンツ・・モンベル「 トレールランニングショーツ Men’s(M)」
  • アンダーウェア・・UNDER ARMOUR「ヒートギアコンプレッションステルスLSモック(L)」
  • シャツ・・SALOMON「AGILE SS TEE M(S)」
  • ソックス・・武田レッグウェアー「TRR-120G(M)」
  • キャップ・・MAMMUT「Active Visor」
  • グローブ・・Salomon「XT WINGS GLOVE WP(L)」
  • アイウェア・・OGK KABUTO「ビナートZ(スモーク)」
  • ポール・・Black Diamond「Ultra Distance(110cm)」
  • ゼッケンベルト・・Nathan「Race Number Belt」
  • サバイバルブランケット・・Adventure Medical Kits「SURVIVE OUTDOORS LONGER EMERGENCY BLANKET」
  • ホイッスル・・不明
  • 携帯電話・・Apple「iPhone 7」
  • ミッドレイヤー・・Haglöfs「SHIELD JACKET(XS)」

レース展開

 スタート地点は標高3,992mのChonggu Temple。目の前に6,000m峰がそびえ立っており、とにかく景色がいい場所にゲートが設置されています。綺麗なトイレが沢山設置されていますし、スタート前の水分なども補給できるようになっていて至れり尽くせり。この日は太陽が出ていて暑いくらいだったのですが、影があまりないので日焼け対策は必須。標高が高くて光が強いですし、乾燥しているのでよく焼けます。

 スタートして700m程度は舗装路。みんな勢いよく走り出しますが、スタート時点ですでに酸素濃度は平地の60%程度まで下がっているので、息が上がらないようユックリ走り始めました。ここで走らなくて正解だったかなと。
 700m走った後はシングルトラックへ。あまり斜度のきつく無い登りから始めるのですが、列ができているので同じペースで進んでいきます。日本の低山と同じような感じで4,000m以上にいる気はしませんが、木の間からは見たことのない景色が見え、ここが高地だという事を思い出します。

 途中は山を巻いているところも多く、それほど傾斜がきつい感じはありません。低山なら走って登っていますが、苦しくてとても走れるような状態ではなく、ひたすら歩いて登ります。

 本当に傾斜がキツいのは4.5kmからの300mと、最後の1km。この2つは空に昇って行く感じで、心が折れそうでした。地面は乾燥した土か石。滑りはしませんが、砂埃が立ちますし、石は浮いているものも多いので少しだけ注意が必要です。

 最後の登りは酸素も平地の半分程度ですし、少し頭痛も出始めていました。少し前に選手がいたので、その人だけは抜こうと、なんとか気力を持ち続けた感じです。誰もいなければ確実に座り込んでいました。

 ゴールの5,000m地点では完走メダルをもらい、中国特有の写真撮影タイム。沢山写真を撮っていると寒くなったので、ウインドブレーカを着て下山開始。レースは登りだけなので、下りはどうするのかと思っていたのですが、当然のように同じコースを歩いて下山でした。

 トップ選手とすれ違いで話せますし、後から来る人も応援できるので、これはこれで面白いなと思いますが、少し頭痛が出ていましたし、次の日もレースがあるので、とても抑えて下山。往復で14kmとちょうどいい距離で、楽しいと思ううちに終わりました。

 前日におそらく高山病の症状で嘔吐をしていたので、出場できるかどうか・5,000mまでたどり着けるか心配だったのですが、何とか最後まで楽しむ事ができて本当に良かった。初めてのバーティカルレースでしたが、はまりそうです。
 そして、このレースで最も衝撃的だったのは、標高4,700mの6km地点にエイドが用意されていた事。おそらくエイドは無いだろうと考えていたのですが、飲み物やちょっとした食べ物まで用意してありました。最後のきつい登り前に、とても良い気分転換となりました。

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    本州の端っこ在住。 長閑な非都市部でフルート、ピアノ、作曲を勉強中。競技でパワーリフティングにも取り組んでいます。色々としているおかげで、常に新しい課題だらけ。飽きる暇もなく、楽しめています。