大岡 昇平「野火」を読みました。ここのところ多くの戦争に関する物語を読んでいたような気がしていたのですが、記録を見てみると昨年の「夜と霧」を読んで以来でした。なにが頻繁に読んでいるように感じさせたのか考えてみると、飢餓という状況が先日読んだ「漂流」と共通していたのかと思います。
野火が色々なものの比喩に感じられ、戦争小説なのに、空気感や拡がりを感じる作品で、初めて小説から匂いのようなものを感じた気がしました。これは、この本を読んでいる期間に、文字から色を感じる人と共感覚について話したからかもしれません。文字から何を感じるか、普段よりも敏感になっていたために、普段と違うような見方ができたのかと想像します。
人の意識の移り変わりを、明言しないことで想像させる著者の力にはまり、他の作品も読みたくなりました。
